タオル一枚の女性に、裸の男がスーツのポケットから名刺ケースを出して渡す姿なんて。
彼女は受け取ると下着もつけず服を着て、下着やストッキングはつけていたバスタオルにくるんで出て行きます。
隣の部屋から明らかにシャワーの音がします。
先ほど入ったのにシャワー・・・。想像するにやはり自身を嫌悪しているのでしょうか。私も少し後悔です。
私もシャワーを浴びたかったのですが、彼女の部屋からシャワー音がする間は何もできませんでした。
シャワーの気配も消えて、私もシャワーを浴び、身支度をします。
隣の部屋からドアの音がして、おそらく彼女が出て行ったのでしょう。
私も15分ほどしてロビーに下ります。
朝食サービスをしていましたが私は食べる気力がありませんでした。
運悪く、もうすでに出て行ったとばかり思っていた彼女がロビーにいたのです。
完全に身支度を整え、あとはチェックアウトのみの私はどぎまぎしてチェックアウトをします。
(私)「チェックアウトで」
(ホテルの人)「○○さま。領収書になります。こちらはお預かりしているメッセージです。」
メッセージ???ホテルの封筒を渡されます。
中を見ると名刺が入っていました。
彼女の名刺です。しかもプライベートの連絡先が書かれています。
私はそっと封筒ごと胸のポケットにしまいホテルを出ます。
ロビーで彼女に目を向けても、向こうは完全に無視です。
声をかけれる気配もありません。
時間をつぶせる場所はホテルしかなかったのに、そこも居心地が悪く出てしまいました。
正直、この時間に客先に行くわけにも行きません。
駅で1時間すこしスーツ姿の男が待ちぼうけをしているさまは不審者だったかもしれません。
『ワンルーム #1 台風と先輩とビジネスホテル』
台風の夜に会社の先輩・真(大沢真司)と二人でホテルに宿泊することになってしまった由佳(佳苗るか)。
一緒にお酒を飲むうちに打ち解けた二人だが、真から思いもよらぬ告白を受け…
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