そんな関係も中学に入学し塾へ行く理由が消滅すると疎遠になり、
お互い数度の引越で年賀状も途絶えた。
そして、25歳になったとき3度目の出会いがあった。
俺が勤めていた会社に彼女が中途で入社したのだ。
このときも彼女の姓は変わっており、
かなりキレイになっていたので俺は気付かなかった。
が、俺の名前が珍しいこともあり、彼女の方から
「○○さんって××区の出身ですか?保育園は……」
だが、今度は昔の関係は復活しなかった。
彼女は人妻になっていたからだ。
幼馴染みであることもなんとなく秘密にしている。
数年して会社の飲み会で初期配置がばらけてきた中で
彼女が俺の隣に座った。
周りに聞こえない声量で子供の頃の思い出話をした。
そのなかで彼女が2度の再会について
「もし旦那と出会わなかったら…もしかしたら今でも、
私の本当の運命の人は○○くんなのかもね…」
俺は「……そうかもな」って言っておいた。