そんな俺に対し都はにやにやしながら、
「えー、俺くんは会って一日も経ってない女の子を連れ込んじゃう人なんだー?なんかしょっくー」
などとのたまう。
のたまいながらも手は握ったままなので、ついてくる形にはなるわけなんだけど。
誘っといて何ですが、即日お持ち帰りって経験は初めてだったので、軽口ばっかり叩いてた。
でも一度だけ、真面目な顔で「誰にでもついてくわけじゃないんだよ?」って言う都に、頭をなでながらわかってるよって返した。軽薄そうに見られてなければいいなぁって思いながら。
これは後で聞いたことだけど、日常的に女の子を連れ込んでるような人ではないなってくらいには、この時点でも信じてくれてはいたみたい。
結局は「会って一日も経ってない女の子を連れ込んじゃ」ってるわけだから、異論は認める。
眠たそうな都を半分引っ張るようにして家に着いて、交代でシャワー浴びてさっぱり。
さっぱりしたせいかいつのまにか外が明るくなってるせいか、急激に照れ臭くなる。
悶々とした下心もどこへやら、そうすると今度は急に眠くなるもので、とりあえずベッドに入る。
はじっこに寄って、ベッドぽんぽん。おいでって言う俺に、素直に従う都さん。犬みたい。
軽く抱き寄せて、おやすみって俺、おやすみって都。
俺くんあったかいねーって言った数秒後には寝息を立ててる都さん。寝付きいいなぁ。
俺も寝付きはいい方なのでいつのまにか寝てたわけだけど、スマホのけたたましい音で目が覚める。
オフにしとくのを忘れてたアラームを切るべくベッドから抜け出て、切ってまたすぐ戻る。
お約束の、やべぇ仕事!もなければ、誰この女…!?もない。
とても穏やかな元旦の目覚めです。もう昼だけど。
アラームのせいだか俺が動いたからかはわかんないけど、都も目を覚ました模様。
低血圧なのか、誰この男…!?なのか、しばらくこっちを見てぼんやり。
おはようって俺、おーはーよーうーって都。寒いのか、布団の中にもぐってしがみついてくる。
おーおーよしよしって髪をわしゃわしゃすると、うれしそうに?顔をぐりぐり胸に押し付けてくる。
かーわーえーえー。そしてやはり犬のよう。
寝起きはどうにも喉が渇くので飲み物を取りに行こうとしても、離れない都。
すぐ帰ってくるってば!っつって引き剥がし、お茶片手にまたすぐ戻る。なにこのバカップル。
とりあえず都にも一口飲ませて、寒いのでまたふたりしてベッドにもぐる。
しがみつかれる前にこっちからつかまえて、軽くキス。
んっ、って声を漏らしてから、寝起きの口の中は細菌が繁殖してるんだよ?なんてことを言う都。
言うほど嫌そうでもなかったので何度かちゅっちゅしてたら何も言わなくなった。