大学3年の夏、バイト先にキラ星のように輝く美人がいた。
体育系の大学で新体操をしていたが、親の都合で中退、主に高校生や中学生の大会のエキジビジョンや、ダンス教室のコーチなんかをしながら生活してるセミプロだってことだった。
背は160くらい、いつもニコニコと元気
パッチリでそれでいて切れ長の目、やや濃い目で真っすぐな眉
薄めで形のいい唇、当時彼女がいなかった俺には眩しすぎる人だった。
長い夏休みも終わりの頃
俺のところに彼女が来て「今日終ったら相談したいことがあるんだけど都合どう」と。
それまでの断片的なおしゃべりから、彼女が付き合ってる男のことだと察して内心穏やかではなかったけど、反面彼女と二人きりになれると思って嬉しかったのは確かかな。
で、バイト後待ち合わせて彼女の指定の店に行って最初は楽しく飲んでたんだけど、だんだん酔いが回っていよいよ本題へ
なんの事はない、彼氏に振られたこと、未だにすごく好きであること、この店はその彼といつも来てた思い出いっぱいの店であること。
まぁよくあるパターンで相槌マシーンと化して話を聞いてあげるのに全力投球、反面切なさ山盛りの俺だったわけです。
店を出る頃にはこれもお約束の“彼女泥酔”
財布の中身を気にしつつ、彼女のアパートまでタクシーで送って、着いたのはいいけど今度は起きてくれない。やっとの思いでタクシーから降し、そこでまた途方にくれた。
(どうすりゃいいんだ!このまま置いて行けないし、かと言って俺が彼女の部屋に上がるのか?絶対普通じゃいられなくなるぞ??)
散々悩んだけどこのままこうしてても仕方がないので、彼女の耳元に大声で
(て言っても近所に迷惑にならない程度にだけど)
「悪いけどカバン開けてカギ探すよ!おーい!ちゃんと断ったよー」
とやってドキドキしながら憧れの人のカバンを物色、見つけた鍵をポケットに入れ彼女をおんぶしてアパートの階段を上がり、やっとの思いで彼女を部屋に入れた。