何とかして翻意させようと高校時代の話などを持ち出し、「あの頃は楽しかったねぇ」などと言いながらアルバムを見てこれまでの付き合いを振り返った。
「旅行先で見つけた小さな美術館、あれは行ってみたかったね。樹齢2000年の木がある神社も行きそびれちゃったしね…」
「そうね。あなたにも感謝してる。あなたのことが嫌いになったわけじゃない。あなたと人生の方向性が合わなかっただけ。だから、あなたも幸せになってね」
「それなら、最後に1回だけヤラせてくれないか?」
「…1回だけね」
真紀さんは布団の上に寝転がった。久野は思わず真紀さんの名を呼び、唇を求めた。今までと違い、唾液を送り込むと舌をうごめかせ、すくい取ってくれる。
それが餞別のセックスであることも忘れ、久野は真紀さんの肉体にむしゃぶりつき、指先で淫水を弾き、勢いよく肉竿を埋め込んだ。
「ああんっ、イイッ…」
真紀さんは色っぽい声で悩殺した。
二人は深々と結合したまましゃにむに互いの唇を吸い合った。そうしながらも真紀さんは鼻先から絶えず甘い吐息を漏らし続けている。
久野がピストンを繰り出すと、そのリズムに合わせてヴァギナが痙攣したように動き、凄まじい収縮力を発揮して生肉に食らいついてくる。
「うおおおっ、出るよ、たまんねえぜ、すげえよ!」
久野は官能を痺れさせ、たまりにたまったザーメンをドドドッと放出させた。
ところが、真紀さんはセックスが終わると背を向け、さっさとパジャマに着替え始めた。
久野としては後戯で抱き合いたかったが、それは許されなかった。