小学生の頃、道ばたや公園にエロ本が落ちていたら大騒ぎになったものだった。読んだところで何が何だか分からないのだが、「普段、絶対手に届かないものがすぐそばにある」という特別感は、簡単に小学生のテンションを上げる。
年末に行われた、小学校の同級生たちとの飲み会でも、やっぱり“道ばたのエロ本”の思い出話で大いに盛り上がった。ある関西の知人は「あの頃のエロ本は、ほんまに“通貨”やった」としみじみしながら語っていた。多くの人が「路上でエロ本に出くわす」経験をしたことがあるだろう。実際手にとって読んだかは別として。
しかし、普段あまり人目につかないよう、人々から細心の注意を払われているエロ本が、なぜあんな風に白昼堂々とその姿をさらけ出していたのだろうか。今思うとなかなかおかしな光景である。
そんなわけで私は“道ばたにエロ本”現象の謎について、自分なりに解明してみることにした。
おそらくエロ本も、はじめはひっそりと公共のゴミ箱や、ゴミ回収場所に捨てられていたはずだ。
いくらなんでも、堂々とポイ捨てする人はいないだろう。しかし、それを目ざとく見つけたホームレスのおじさんや小中学生の手により、外の世界に引っ張りだされてしまったのではなかろうか。そして彼らは読んだあと、どこかにこっそり置いてくるだろう。拾ったものを古紙回収に出すとは考えにくい。
すると、また見つけた誰かに拾われて読まれる。そのうち雨に濡れてボロボロになって、ページが風で吹き飛んだりする。そうやって流れ流れて、道ばたに辿り着いたのではないだろうか。つまり、海辺の漂着物のような存在なのだ。(以下略)
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