ネットアンケートは妊娠を望んでいなかった20~49歳の女性614人を対象に実施した。
過去1年以内のセックスについて避妊状況を聞いたところ、44・5″が「避妊しないことがあった」と回答した。
残り55・5″は「必ず避妊した」と答えたものの、問題はその方法。このうち実に約2割の人が「膣(ちつ)外射精」を選択していた。
膣外射精は確実な避妊法とはいえず、逆に妊娠率が27″に上るという調査結果もある。この方法を選んだ人を「避妊しない」グループとして改めてカウントすると、全体の約6割(57″)に達したという。
■「大丈夫な気がした」
妊娠を望んでいないのになぜ避妊をしないのか。理由を尋ねると、各年代の違いがくっきりと浮かんだ。
まずは20代。最も多かったのは「大丈夫な気がしたから」という根拠のない「自信」だった。
続く30代は「もし妊娠してしまったら、産んでも良いと思った」。20代よりも結婚の準備が整い、それほど妊娠を心配していない様子が垣間見える。
40代では「安全日だったから」がトップだった。だが、この安全日については、立ち止まって考える必要がある。世間には広く浸透しているが、専門家の間では「神話」に過ぎないと指摘する向きも多い。
■男性主導の実態
アンケート結果からは、膣外射精が男性主導で行われている現状もあらわになった。回答を抽出してみよう。
「雰囲気を悪くしたらだめだと思い、避妊を言い出せなかった」(33歳、会社員)
「精子がないと説得されたので、大丈夫かなと思った」(41歳、会社員)
「その人のことを信頼していたので、何が起こっても大丈夫だと思った」(21歳、学生)
「子供はいらないが、相手が好きだから」(26歳、会社員)
「何かあったら、責任を取らせようと思った」(24歳、パート)
■15″が中絶経験
厚生労働省の科学研究の一環として、平成22年9月に行われた「男女の生活と意識に関する調査」では、日本人女性の15・5″が人工妊娠中絶を経験し、そのうちの35・6″が、2回以上の「反復中絶」をしていることが判明した。
繰り返し中絶する女性のグループでは「初めてのセックスのときに避妊しなかった」と答えた人の割合が高かったという。初体験の相手も「町で声をかけられた」という回答が目立ち、性行為に伴うリスクを、あまり重視していない傾向がうかがわれた。
こうした性の実態について「三宅婦人科内科医院」(大阪市)の三宅侃(あきら)院長は「妊娠を望んでいないのであれば、女性主導で避妊をするべきだと常々言ってきたが、まったく行き渡っていない。特定のパートナーがいるのに漫然と避妊していないとすれば、無知としかいいようがない」と指摘する。
[zakzak]