プライベートな話であるが、下着は黒しか着ない。なぜか。私の所持している下着はすべて黒だからだ。なぜか。
「同じ靴下を山ほど買うと洗濯後おそろいの靴下を探す必要がない」
というライフハックをご存知か。察しの良い方にはもうわかって頂けたと思う。そう、上下おそろいの下着を合わせるのがめんどくさい、という、モノグサの極みである。経年劣化で片方捨てても、どちらか一方だけ着替えても、全く問題が無い。
なぜ黒か。赤でもピンクでもパステルグリーンでもチェック柄でもなく。
黒という色は唯一無二なのである。RGBでいうところの#000000。赤やピンクやパステルグリーンにはさまざまな種類があり、購入する店やブランドによって、色調が違う。これでは上下おそろいにならない。柄物は言わずもがな。
ちなみに恒常的に「上下おそろいである」必然性を男性陣に説明するならば「よくわからない女のプライド」である。
楽です。
「黒い下着」というものは大変便利なもので、ファストブランドであろうが、専門下着店であろうが、ネットショッピングであろうが、種類でいうとスポーツブラであろうが、サニタリーショーツであろうが、ヒラヒラのフリフリであろうが、ほとんどの場合で取り扱っている。
少々のデザインや形の違いはあれど、テイストは同じだ。
黒ともう一つ「白」という色も、もちろん#ffffffで表現されるところの単一色である。が、女性視点でいうとちょっとハードルが高い。
汚れが目立つ、という生活色漂う理由と「いい年して白ってねぇ」という乙女の恥じらいである。このあたりは慮ってほしい。
くたびれた感が出ず、なんかセクシー。
さらに、黒は退色しづらいという優れた特性がある。「色あせた薄いピンクのコットンパンツ」のように「残念にくたびれた感」が出ない。耐久性は大切である。
特筆すべき利点は「なんかセクシー」。
これはもう絶対的信頼感だ。いつ、なんどき、どんなアクシデントが起ころうが大丈夫。ローライズのジーンズから、屈んだ時の胸元から、風のいたずらで舞い上がったスカートから。
「あ、この子、黒なんだ。」
最小限の努力で最大限の「女を捨てて無い感」を出すことができる。
日常的に黒い下着であれば、勝負下着的に「今日はもしかして」と素敵な予感や妄想に胸おどらせて下着を選ばなくて良いのだ。これは素晴らしく快適だ。
なぜなら何もなかった時に「せっかく可愛い下着つけて行ったのに」というがっかり感が無いのだ。黒い下着はいつものローテーションだから。従って、ごく自然体でいられる。何も期待しない。媚びない甘えない。夢をみない。
とにかくめんどくさくない。
男性陣の夢を壊して大変申し訳ない独白であったが、生活に合理性を求めながらも見え隠れする乙女心を読み取って頂ければ幸いである。