一部の老舗のソープランドなどでは、検査結果を提出しないと就業できないルールを設けているケースもあるらしいが、それでも検査を受ける病院や診療所は女性たちが自主的に探して受診する。
それ以外の風俗店や事務所では、せいぜい女性たちに「検査を受けたほうがいい」と助言する程度であって、最初からなにも指示しない経営者や店舗責任者のほうが多いと聞く。
だから、風俗店指定のクリニックや風俗嬢専門の医院があるわけではない。女性たちは、自由に手頃な医療機関で診察や検査を受けている。
そして、性感染症の検査やピルの処方などは言いにくいという女性も少なくない。だから、風俗で働く女性たちが受診する医療機関は、先輩から新人へとか、知り合いが口コミでといったケースがほとんどだ。
たとえば、都内でキャリア20数年というベテランのデリヘル嬢であるSさん(年齢は秘密)が通うのは、吉原ソープ街のなかにある某医院。もともとソープ嬢の頃に同じように教えてもらって受診していて、ソープをやめてデリヘルで働くようになってからも、「慣れた先生のほうが安心」と、わざわざ月に2回、吉原まで通っている。
その医院で受診するのは、吉原ソープで働く女性が多いとのことだが、Sさんによればほかの業種や地区の女性も多いとか。